【映画】『ラ・ラ・ランド』を観に行きました。
大学の文芸サークルの先輩である黒山先輩(仮名)の影響で、最近映画を観るようになりました。21日は春休み中のお出かけ企画ということで、板橋区の大山という場所に取材してきました。降水確率80%、朝から曇天、そして雨でした!その取材の帰りに黒山先輩の思いつきで映画を観た話です。※がっつり本編ネタバレします。
『ラ・ラ・ランド』公開前から大きな話題を呼んでいた、ミュージカル映画です。一応言っておくと、僕はミュージカルというものに全く縁がありません。(劇団四季ってミュージカル?ってところからわからない)自分の主ジャンルでも一応ミュージカル化はされていますが、作品のキャラ≠ミュージカルの俳優さんが演じるキャラなので舞台化とか実写映画化とか苦手です。
というわけで、ミュージカルと言うものを劇場のスクリーン越しですが初めて観に行きました。ニュースでいくつか『ラ・ラ・ランド』のカットは観ましたが一番印象的なのは橋の上で人がいっぱい踊ってるやつです。
冒頭シーンがそれでした。 ただし、物語にはほっとんど関係ありません。というか言ってしまえばそのシーンで歌ってる女性は主人公ですらありませんでした!(このあたりで既に混乱をし始める初心者)
とりあえず主人公は二人。一人は女優を目指す若い女性。コーヒーショップでアルバイトをしながら、オーディションに挑むも連戦連敗の夢追い人。もう一人はピアノを弾く男性。彼はジャズを愛していて、好きな時に好きな曲を弾けるお店を持つことが夢みたいですが、実現はまだ遠そう。こちらも夢追い人。
あるパーティーで出会った二人(これより前に出会ってるけど二人は最後まで気づいてない)はなんやかんやで意気投合します。
パーティーで自称:売れっ子脚本家に絡まれていた女主人公を男性が助けるシーンで
女「ねぇ、私の分の車の鍵取ってくれた?」
男「車種は?」
女「プリウスよ」
ってシーンがありました。「思いっきり日本車じゃん!!」英語の会話の中に唐突に登場する「プリウス」のシュールさ……凄く、ハイブリッドでした。アメリカ人はトヨタ結構好きなのかもしれません。
女性にはエリートの彼氏がいましたが、夢追い人の彼女は関係や住む世界の違いに居心地の悪さを感じています。
そんな中、出会った夢を語り合える男性。まあ、恋に落ちるだろうなぁって感じです。
やがて付き合い始めた二人。彼女は女優の道を諦めきれず、大学を中退しているそうで、両親は娘を心配しています。
男主人公はと言うと、当然お金はなく、情熱だけで「ジャズのお店をやりたい!!」と言っています。
女主人公はそんな彼の夢を自分のことのように応援しているんでしょう。だって、自分も同じ“夢追い人”ですから。
ここで彼は「彼女と付き合っていくには安定した収入を得なければ」と思い、昔の友人に誘われてバンドでキーボードを弾き始めます。ライブ会場を満員にするような人気のバンド。弾いている曲は彼の好きなジャズではなく、大衆向けの曲。
いつの間にか彼は、バンドでツアーを巡り、CDを出し、またツアー。会う時間も減り、ジャズのお店の話は遠のいていくように。
女「バンドの曲は好き?あなたの夢だったお店はどうするの?」
男「好きか嫌いかなんて関係ないよ。僕の弾く音楽をみんなが喜んでくれるだけで幸せだよ」
女「長く続けていくなら好き嫌いは重要よ……あなたは私の前ではバンドの曲を悪くいいながら、その実そこに縋ってる」
男「君が!!君が安定した職を望んだんじゃないか!!だから!!」
女「どういうこと……?」
彼女は作中で一度も「安定した職」を求めたことはありませんでした。男主人公は「彼女と付き合いを続けるため、安心させるため」がだんだん「彼女も望んでいる」に変わってしまったのかも。つまり「諦めた」ということ。
作中では「夢を変えることで、少しだけ大人になった」と表現されていました。彼女のために夢を変えた彼と彼にも夢を叶えて欲しい彼女。二人は少しずつすれ違っていきます。
そんな中、彼女は自作の舞台の発表日が迫ります。
作中では言及されていませんでしたが、彼女と彼女の両親の中では「これが最後」と思っていたんだと思う。小さな劇場、疎らな客足。最前列に1席だけ用意された「reserved(予約済み)」の席は彼のものだったんでしょう。
彼は舞台を観に来れませんでした。
舞台が終わったあと、急いで会場に向かう彼。
「ごめん、何か埋め合わせをさせて」と謝る彼に、彼女は“すべての終わり”を告げます。彼とも、夢も、終わり。
呆然と立ち尽くす彼を置いて、彼女は逃げるように実家に戻ってしまいました。(というか、実際逃げた)
後日、彼の電話に一件の電話が。彼女の舞台を見た配役プロデューサー(?)が彼女を気に入ったらしい。慌てて車に飛び乗り、彼女の実家を目指します。
(僕:場所わかるんか?)
夢を諦めてしまった彼女は、報告に来た彼に冷たく当たります。
女「もう、うんざりなの!」
男「何が?」
女「バカにされるのも、報われないのも、自信をなくすのも。大学を辞めて6年も頑張った。もういいでしょう?」
男「君の夢はそんな程度のものなのか?!明日8時に迎えにくる。君が迷惑がってもだ!」(背中押してくれるいい人です)
女「……ねえ、ひとつだけ教えて。なんでここ(実家)がわかったの?」
男「図書館の前」
彼が目印にしたのは、彼女が女優に憧れるきっかけになった叔母の映画が上映されていた図書館。この時点をピークに男主人公の株が僕の中で急上昇です。なんだよ、イケメンかよ……
結局、女主人公はパリで映画の撮影をすることに。
女「あなたはどうするの?」
男「僕は……この街に残るよ。まだ、できることがあるような気がするんだ」
パリでもジャズできるだろ!って僕は思いましたが、冷静に考えると、多分彼は夢を叶えた彼女が眩しかったのかなって思います。この時点で彼は、ジャズではなくて大衆音楽に甘んじているわけですから……夢を叶えて、その時隣に……って感じかも。
なんだよ、イケメンかよ(二回目)
3年後、大女優になった女主人公は夫(劇場の空気がざわめく)と共に小さなジャズのお店へ。
輝くネオンは昔、彼女がデザインしたもの。
「まさか……」そんな風に思う僕たちの前でマイクを持つ店主の男主人公。別の男性と手をつなぐ彼女の姿を見つけます。
彼はピアノで昔彼女と一緒に歌った歌を弾きました。
そして、夢を叶えた二人は別々の道へと歩き始める______ というお話でした。
自称夢追い人の黒山先輩(仮名)いわく、「夢と恋愛は両立できない」ってことらしいです。
『ラ・ラ・ランド』のストーリーも良いんですけど、僕個人的にはトランペットの音が圧倒的な迫力でした。
序盤でジャズの嫌いな女主人公を男主人公が「本物のジャズ」を聞かせにバーに連れていくシーンで弾いてるトランペットが最高でした。僕はクラシックは聴きますが、吹奏楽系やジャズはほとんど知らないのですが……トランペットの音は圧巻でした。
そうだ、ジャズ喫茶行こう……ということで、大学近くのジャズ喫茶に今度お邪魔しようと思います。