たんぽぽとつぎはぎの怪物

気ままに、好きなことを語るブログ。

____あなたの言葉や哲学を守る為なら いくらでも僕を差し出そう
普通の文系衣女子が日々徒然と考えたことやゲームの感想などについてなんとなく語ります
※政治的意見や二次創作、夢創作も含みますので閲覧にはご注意ください。

僕の父のすごいところ

 半年ぶりにアメリカに単身赴任中の父が一時帰国をしてきた。僕の誕生日に父がともに過ごすのはおそらく数年ぶりだろう。それくらい、父は日本にいない。昔は「寂しい」と思っていたかもしれないけれど(私はパパっ子だったから)、今ではそれが“普通”なんだと思っている。

 

 父は昔から仕事人間だった。湾岸戦争中、イラク戦争中にも交戦国へ飛ぶような具合だから相当だろう。さて、そんな父も御年52。十数人の部下を束ねる立場。父の出身大学は国公立大学でも有名私立でもない。そんな父が会社で若くしてこの立場に就いているのは「異例」なのだと、よく母が語っていた。今の仕事も、取引先企業から名指しで責任者指名されたとのことだから、きっと父の能力は高いのだと思う。ただ、僕が本当に父を尊敬しているのはそこではない。

父は「ともに仕事をする仲間、相手の悪口を絶対に言わない。」

勿論、思ってはいるだろう。25年夫婦をしてきた母は数回不満を聞いたとも言っていた。でも、僕らに仕事の話をするとき父は「⚪︎⚪︎さんは面白い」と語る。

 知っての通り、去年四月から僕は大学に入った。大学に入れば、古今東西いろいろな人が集まっている。それでも僕の周りの同級生はtwitterで「⚪︎⚪︎はいつも遊んでばっか」とか「××は頭が悪い」とか否定的な面ばかりを話す。さすがに、同級生に「⚪︎⚪︎はやばいから関わらない方がいい」と言われたときには辟易を通り超して、呆れたのだけど。

 これは僕だって同じだから、偉そうなことは言えないけれど……人間は「相手の嫌なところ」は浮き出て見えるものなんだと思う。嫌いなところ、合わないところ、マイナス面は嫌でも目につく。逆に、相手の好きなところは「意識を向けなければ」見えない。父は、その意識をきっといつも向けているんだろうと思う。僕はそんな父の一面が誇りだ。

 その精神に則って、父の好きな面を一つあげるとするなら。「thank youの言い方がかわいいところ」だ。仕事の電話の最後に、父が相手に告げる「thank you」は少し笑みを含んだような声をしている。その前にどんなに真面目な会話をしていても。それは父の相手への気遣いであり、労いなんだと思った。まあ、30%くらいは身内贔屓のような気もするけれど。